プロフィール

池田 将

Author:池田 将
池田 将 (いけだ しょう)
IKEDA SHO

1983年 東京生まれ
東京造形大学映画専攻領域卒,
在学中から自主映画製作を開始。
フーテン音楽家・土生 裕(はぶひろし)と共に、“萬遊亭”という音楽隊も結成。
※2009年、シークレットアルバムリリース予定

主な作品 (2003-2008)
・「灰色の魚」
・「えび 」
・「UFOさま」
・「くらげ 」
・「亀」

現在、映像作家 川部良太らと&AND(アンド)というグループを立ち上げ“「と」へのまなざし”を共有主題として掲げた作家活動・上映活動、ワークショッププロジェクトを幅広く展開している(未知数)。

その他の活動としては品川・新所沢・吉祥寺・昭島で幅広くぴちゃぴちゃしながらバイトをしている。

新作「鯨」は来年撮影開始予定
乞うご期待あれ

☆ご意見・ご質問は以下のメールへ気軽にどうぞ
shouikeda@hotmail.co.jp

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「亀」上映&トークイベント1 

2008/12/09 [Tue] 10:52
こんにちは、池田です。


12月6日の土曜日の20:00、「」の上映がスタートしました。

んー、お客さん入ってくれてよかったです。
会場着く前は「初日に3人だけしか入らなかったら・・」なんて考えてましたけどね。
いやはや観てくれた人ありがとうございました。
まだまだこれからです!

トークイベントもおもしろかったな〜、諏訪さん
やっぱり諏訪敦彦諏訪敦彦でしたね笑
いい出会いもたくさんありました。
全てを書き記したい・・
んー色々ありすぎて何から書けばいいのかわからん。
んーどうしよう。


おっけー、順番に書いていこう、長丁場になりますよ。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


上映前日の夜から変なテンションになっていて、Fishmansを聞いては酒を飲み、Fishmansを聞いては一人乾杯をし、テロテロな状態でブログを書き、「人類サイコー」というわけのわからないことを書き込んで朝を迎え、飼っている亀(グリフォン)に餌をあげて朝日に向かって「よっしゃー」といい上映に向けて眠っておこうと思いベッドにもぐりこんだはいいがなんか悶々として眠れず、結局起きることに。朝飯を食べて犬と戯れたあと居間でコーヒーを飲みながら日曜日にトークゲストとして来られる柴崎友香さんの小説を読む。柴崎さんの構築する作品世界にいちいち感心しては唸り、感心してはため息をつき、を繰り返していたら急にポコポコと音を立てる水槽が気になる。水槽の中にいるのは亀のグリフォン。食べ切れなかった餌が浮いている。
そしてなぜか亀(グリフォン)を洗おうと思い立つ。
kame_tanka_002.jpg
飼い始めた当初のあいつは甲羅には何も付着しておらずそれはそれはキレイな模様だった。今はかなりの量のコケが甲羅に付着しており、どことなく小汚なかったので正月も近いことだし心機一転大掃除をしてみようということで嫌がるグリフォンにはしばしの辛抱だ、と言い聞かせタワシとピンセットを駆使してコケを取り除きはじめた。

これが意外に取れないんだわ。

こびりついたコケはかなりゴシゴシ磨いたのだけれども全然取れない。
コケというのはなんて力強んだこのヤロー、とぶつぶついいながら甲羅を擦っていると不思議な気分になっていることに気がついた。なんていうのかな、あの感じ。走馬灯っていうのかな。つまり今までの人生で起きた色々な事が頭の中を駆け回ったといいますか、えーと、そう、たぶんそんな感じ。そんでコケをピンセットで抜いているとなんか泣きそうになったんですよ。今までの人生で泣いたことなんて数えるほどしかない眼球乾燥男が、飼っている亀の甲羅のコケを掃除しながら泣きそうになっている不思議。酒のせいか、と思ったがどうも違う。あーもうほんと面倒くさいな、と思いながらゴシゴシ&ぶちぶちとコケを除去。グリフォンは慣れてきたのかおとなしくコケを取られている。時折甲羅から顔を出しては「なんだよお前、餌くれるだけのやつじゃないのかよ、早くしろよ」とでもいいたげな目で僕を見つめてくる。
あの時何を考えていたのか思い出せないけどとにかく泣きそうになったことは確か。

いつも思うんだが、どんな状況でそれを考えちまっているのかがいつも気になる。
人間はただそこにいてしまうしそこで何かを考えちまうし何かをやっちまう生き物だ。そんでその考えちまっている人間がいる世界のあり方が愛おしいわけで。

ベランダで朝日を浴びながら髪ぼさぼさの男が亀の甲羅を掃除をしている。

変な状況なようだけど「それでしかない」オリジナルな状況を一人一人が持っている。
当たり前だ。

そんな当たり前を映画にしたのが「」って映画。


・・ってことを今ブログ書きながらつくづく思う。


亀の甲羅は見ちがえるようにキレイになったのでグリフォンを水槽に返す。ようやく開放されたグリフォンは水槽の表面に浮いた朝ごはんの残りカスを食べ始める。腹へってたのか、お前は。

そんなこんなでもうお昼時。

お好み焼きを食べてから頼まれていた仕事を思い出し作業開始。
作業が終わったのが五時頃で、もうすぐ下北沢に行かなければ、でも眠いな・・、と少々焦る。
父ちゃんがビールを飲もう、と言ってきたので風呂に入ってから乾杯をする。
18半に家を出る頃には外はとても寒くなっていて薄着で来てしまったことを少々後悔する。電車で眠っておこうと思ったが車内はずっと混雑していたため眠れず。
下北沢が近づいてくる頃にはテンションが上がって来たので眠気など吹っ飛び、代わりにアドレナリンのようなものが出てくる。19:45下北沢到着。南口商店街を早歩きしていると急に不安になってくる。「3人くらいしかいなかったらどうしよう・・」。
弱気。
そしたらゲームセンターの入り口付近に設置された太鼓の達人というゲームを夢中にやっている男性の方を発見。男は黒のタートルネックを着ており、袖は肘上まで捲くられている。

なぜか一瞬で弱気が吹っ飛ぶ。
意気揚々と下北沢トリウッドに到着。





ん、





お、





お!







おぉ!!






人の気配!!!






来ました。いました。いましたよ人。ありましたよ人の気配。
いやはやありがたいことです。

来てくれた友人何人かとロビーで挨拶をしていたらすぐに上映開始のアナウンスがする。



いよいよだ。


よくわからないドキドキ感が喉の奥に溜まっていた。
心地よいのだけど息苦しい感じ。
子供のとき市民プールで意識的に潜った時におそわれる急に外の喧騒がなくなって一人の世界になるあの感じ。

場内が静かになる。
映画館の一番後ろの壁にもたれ掛かり立ったまま鑑賞、スタンバイOK。
開始直後、若干の機械トラブル。
急に不安になるがすぐに再開。
色味も音響もいい感じだ。

映画が始まった。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


「亀」




寝静まった夜の町に響き渡る50ccバイクのモーター音。


忙しなく町を駆け回り新聞を配達するヒト、


鼻血を塞き止めながら受験勉強に打ち込むヒト、


バスルームで不発弾を抱え恋煩いに悩まされているヒト、


精神安定剤を飲み眠りにつくヒト、


ミラーボールを抱え稼いだ金を空中にばら撒くヒト、


その金を掴み取り喜ぶヒモ、


そして離ればなれになった二匹の亀...


淡々と切実な日常生活を送る10人の登場人物たちが 織り成す三日間の群像劇。 ねじれた世界はときおり美しい。







+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




118分の群像映画「」の上映は無事に終了した。
今まで何百回と「」を観てきたけど、あの時が一番冷静に「」を見ていたような気がする。自分で言うのもなんだが正直入り込んだ。
人がちゃんといる映画だな、という感想が湧き上がってきた。
ここにいる人たちは今何を観て、何を思っているのだろう、とあれこれ考えていたら諏訪さん発見。軽く挨拶をし喫煙所で煙草を吸っているとトークイベントの準備が整ったらしく支配人に声を掛けられる。打ち合わせなしのトークイベントが始まる。



トークイベントの模様はこんな感じ。
※撮影者は「」キャメラマンの柏田洋平
DSC_0231.jpg      DSC_0234.jpg      DSC_0256.jpg

写真右がで、いわずもがな写真左にいるのが映画監督・諏訪敦彦さん。
観てくださいよ、この貫禄の違い。写真からバンバン伝わりますよね笑
それにしても毎度おなじみ汚い格好だな、おい!

トークイベントの内容としてはまず諏訪さんの関係を紹介した後に、会場に来てくれた出演者の岩崎正敬くんと中野晃太くん、篠原杏子さんをちらりと紹介(ありがとう!)、その流れで「」が出来るまでの経緯を話し、そこから諏訪さんが「」に“何を見たのか”ということを中心にイベントが進んでいった。まさにトーク。

諏訪さんの発言で「肯定する暴力」という言葉にはとても衝撃を受けたが、今後のいい課題ができたぜ、と嬉しくなったりしながらぺちゃくちゃ話していたらあっという間に一時間が過ぎ、「」公開初日は温かい拍手と共に終わりを告げた。


イベント終了後、下北沢経済新聞の方に声を掛けてもらい簡単な取材を受ける。
取材が終わって時計を見てみるとすでに23:00を回っている。
ロビーに行くとそこには人、人、人(トリウッドさんすいません)。
キャメラマン柏田はお互いの労をねぎらい、「お疲れさん」と声を掛け合う。
諏訪さんも残ってくれていたのでみんなを引き連れて飲みにでも行こうとした矢先、とあるカップルに声を掛けられた。

彼女「すいません、監督さんですよね」

池田「あ、はい」

彼女「あの、どうしても彼が監督さんに話したいことがあるっていうので残っていました」

池田「あ、ぜひぜひ!」

彼女「ほら、話しなよー」


少々引っ込み思案な彼氏の背中を押す彼女。
彼氏より少しだけ身長の高い彼女は、まるで保育園に初めてわが子を連れて行った母親のように彼氏を僕に紹介してくれる(完全なる姉さん女房って感じ笑)

彼氏「・・あ、どうも」

池田「今日はありがとうございました。あの、おもしろかったですか?」

彼氏「あ、おもしろかったです。」

池田「あ、ほんと!いやー嬉しいな〜」

彼氏「あ、あのちょっと聞きたいことがあるんですけどいいですか」

池田「どうぞどうぞ」


話した内容はあえて紹介はしない。する必要がないと思うから。
彼の中に彼独自の「」という映画が立ち上がっていることに感動した。

彼らは映画通でもなんでもなく、ただ下北沢にデートをしにきたごくフツーのカップルさん。聞くところによると、デートプラン用にたまたまインターネットのヤフー映画を眺めていたときに「」という映画のタイトルが気になり、予告編を観ることに。興味をもった彼らは映画館をリサーチ。座席数の少ない映画館だと知り、整理券を求めて14:00に劇場へ来たそうだ。
」公開初日の整理番号一番と二番が彼ら。

僕らは寒風が吹きすさぶ中、煙草を吸いながら色々な話をした。
彼女のほうは僕と夢中に話をしている彼氏の後ろでたまに微笑みながらも寒そうにぷるぷる震えている。彼氏の吸っている煙草の灰が落ちそうになったらそれを何もいわず取り上げてトリウッドの扉横にある灰皿へ持っていく彼女。それをまた彼氏の手元に戻し、またぷるぷると震えだす。その繰り返し。

あー、なんていうんだろう。

」を創ってほんとうによかった。
あんなにもかわいらしく素敵なカップルに出会えたんだからね。

次の日、キャメラマン柏田からメールが来た。
「ヤフー映画のレビューに昨日のカップルらしき人が書き込んでるぞ!」
と、少々興奮気味。
早速、携帯でチェックしてみる。

 ☆yahoo映画レビュー


ははははは、ありがとうね笑
ほんと嬉しいわ。
うーらら〜だな。



よ、ボン・ボヤージュだぜ。
おもしれーじゃん。






だが、これからもいっていこう。






引き続き、






亀よ!!!!!!!!!!




ボンボヤージュ



kame_kanni_112603.jpgkame_kanni_112603.jpgkame_kanni_112603.jpgkame_kanni_112603.jpgkame_kanni_112603.jpgkame_kanni_112603.jpgkame_kanni_112603.jpgkame_kanni_112603.jpg



亀詳細→http://homepage1.nifty.com/tollywood/2008/kame/kame.html




うーらら〜


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コメント

いやー

あのカップルとの出会いは格別だったね。上映されて、観客との関係の中に初めて映画が存在し得るのだということをなんだか改めて実感したなあ。
しかし、上映後オールしてくたびれていたカントク池田が実は上映前にグリフォンを洗っていたとは思いもよらなかった…

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